
今回のテーマは、「LINEMOでキャリアメールは使えるのか」です。


そう、ズバリ結論から言って「LINEMOでキャリアメールは使えます」。
LINEMOはSoftbankが提供する格安プランですが、Softbankのキャリアメールも、サブブランドであるY!mobileのキャリアメールも利用可能です。
さらに、他社(docomo/au)のキャリアメールも使えます。
ただし、LINEMOでキャリアメールを使用するには、ちょっとした手続きと利用条件があるので、今回はその辺りをわかりやすく解説してゆきます。
目次
LINEMOでキャリアメールを使う際の手順や注意点~キャリアごとにチェック
実は、2021年3月にサービスを開始した当時のLINEMO(ラインモ)は、キャリアメールが利用できないルールでした。

LINEMOは、20GBをできるだけ割安な料金で利用できる格安プランとして登場したため、プラン内容を極力シンプルにし、様々なサービスを削ぎ落すことで割安料金を実現したプランで、キャリアメールも使えないサービスの1つでした。
キャリアメールが使えない仕様だったことは、現在の公式サイトにも名残りがあります。
出展:LINEMO公式サイト(https://www.linemo.jp/support/faq/view/27173)
こちらはユーザー向けのFAQですが、LINEMOではキャリアメールが使えない旨が明記され現在も公開されています。
また、LINEMO自身がメールアドレスの提供を行っていない旨も記載されており、LINEMOのサービス開始当時は、キャリアメールはまったく使用できなかったことがわかります。
メールアドレス持ち運び制度によって各社キャリアメールが利用可能に
サービス開始からしばらくの間は、最初の仕様通り、キャリアメールを使用することはできませんでした。
しかし、2021年12月に開始となった「メールアドレス持ち運び」制度によって、通信会社を乗り換えても、使い慣れたキャリアメールを継続利用できるようになり現在に至ります。

現在、LINEMOで利用できるキャリアメールは以下の通りです。
- Softbankのキャリアメール
- Y!mobileのキャリアメール
- NTTドコモのキャリアメール
- auのキャリアメール
これらは、それぞれのキャリアで手続きを行うことで、LINEMOでも継続して利用することができます。
SoftbankのキャリアメールをLINEMOで利用するには
Softbankの回線を解約から31日以内に「My Softbank」から「Softbank ID」で申し込むことで、以下のメールアドレスをLINEMOでも利用可能となります。
【MMS】
- @softbank.ne.jp
- @●.vodafone.ne.jp※1
- @disney.ne.jp
- @y-mobile.ne.jp
- @willcom.com
- @pdx.ne.jp
- @●●.pdx.ne.jp
【Eメール】
- @i.softbank.jp
料金は、3,300円/年(税込)ですが、今夏を目途に330円/月(税込)となる見込みです。
支払方法はクレジットカードのみとなっています。
メール容量は、MMS+Eメールあわせて200MB(約5,000件)です。
Y!mobileのキャリアメールをLINEMOで利用するには
Y!mobileの回線を解約から31日以内に「My Softbank」から「Softbank ID」で申し込むことで、以下のメールアドレスをLINEMOでも利用可能となります。
【MMS】
- @ymobile.ne.jp
- @emobile-s.ne.jp
- @wcm.ne.jp
- @willcom.com
- @pdx.ne.jp
- @●●.pdx.ne.jp
- @y-mobile.ne.jp
【Eメール】
- @yahoo.ne.jp
料金は、3,300円/年(税込)ですが、今夏を目途に330円/月(税込)となる見込みです。
支払方法はクレジットカードのみとなっています。
メール容量は、MMS+Eメールあわせて200MB(約5,000件)です。
NTTドコモのキャリアメールをLINEMOで使用するには~「docomo.ne.jp」
NTTドコモ解約後でもドコモメールを継続利用することが可能です。

クラウドに保管されているメールデータもそのまま残すことができますが、ドコモのメールアプリは解約後は使用することはできません。
ドコモ回線解約から31日以内の申し込みが必要です。申し込みにはドコモ回線契約に紐づいた「dアカウント」が必要です。また法人名義の回線のメールアドレスは対象外です。
料金は330円/月(税込)ですが、初回申込み日から31日間は月額使用料が無料となります(31日経過後は自動継続となり料金が発生します)。
auのキャリアメールをLINEMOで使用するには~「@ezweb.ne.jp」「@au.com」
au解約後でもauメールを継続利用することが可能です。

au回線解約から31日以内の申し込みが必要です。申し込みにはau回線契約にもとづき発行された「au ID」が必要です。
対象となるメールドメインは以下の通りです。
- @ezweb.ne.jp
- @au.com
保存容量は、400MB(5,000件)で保存期間は無期限です(au解約後も「auスマートパスプレミアム」「auスマートパス」に継続加入の場合は1GB(2万件)を無期限に保存できます)。
料金は330円/月(税込)です。
【UQmobile発行のメールアドレス】
UQmobileでもキャリアメール「@uqmobile.jp」を発行できますが、現時点でこのメールアドレスを他社に持ち運ぶことはできません。
その他の通信各社のメールアドレス持ち運び制度対応~MVNOや楽天モバイルの対応について
OCNモバイルONE/IIJmio/BIGLOBE/mineoなどのMVNOが独自に発行するメールアドレスはキャリアメールではないのでメールアドレス持ち運び制度の対象外です。

MVNOで使用していたメールアドレスは、解約/MNP転出後は使用できなくなります。
また、第4の通信キャリアである楽天モバイルは、MVNOとして発行している「@rakuten.jp」のメールアドレスがありますが、こちらは楽天モバイルがメールアドレス持ち運び制度を導入していないためLINEMOで使用することはできません。
キャリアとしての楽天モバイルは、未だキャリアメールを提供していませんので、持ち運べるメールアドレスはありません。
メールアドレス持ち運び制度には利用料金が必要~コストがかかることを忘れずに
「メールアドレス持ち運び」制度によって、どのキャリアのメールアドレスでも手続きさえ行えば、別キャリアでも継続利用が可能になりましたが、この制度を利用するためには所定の利用料金がかかります。

- NTTドコモ … 月額330円(税込)
- au(UQmobile含む)… 330円(税込)
- Softbank(Y!mobile含む)… 年額3,300円(税込)※次項参照
NTTドコモとauのメールアドレスをそれぞれのキャリアを解約後も継続利用するためには月額330円の料金が必要です。
Softbank/Y!mobileは、暫定的に年額3,300円としていますが、2022年夏をめどに月額330円(税込)の新サービスの開始を予告しています。
Softbank(Y!mobile)のメールアドレス持ち運び制度は未だ不完全~できないことがあるので要注意
Softbank(Y!mobile)のメールアドレス持ち運び制度は暫定的な内容となっています。

2022年夏ごろを目途に正式なサービスの提供開始を予定していますが、正式サービスまではサービス内容に制限などがあるので注意が必要です。
- 持ち運んだメールアドレスを変更できない
- キャリアで行ったメール設定を持ち運び後に変更できない
- 年間利用料金は、1年未満で解約した場合でも返金されない
新サービス開始後には、メールアドレスの変更も、設定の変更も可能になりますし、330円(税込)の月額利用が可能になるので、1年未満の解約でも無駄なコストが大幅に削減されます。
LINEMO自身のキャリアメールは存在しない~メールアドレスを発行していない
各社のキャリアメールが利用可能になったLINEMOですが、LINEMO独自のキャリアメールを発行していない点については変更がないため、LINEMO自身のキャリアメールは存在しません。
このため、乗り換え前のキャリアの解約が済んでしまった現行LINEMOユーザーはキャリアメールを使う機会はありません。
現行ユーザーは、フリーメールやプロバイダーメールなどを利用するしかありません。
LINEMOでキャリアメールを利用すべきなのか~メリットとデメリットをピックアップ
「利用可能」であることと、実際に「利用する」ことは別です。

ユーザーの中には、「無料なら使いたいけれど有料なら使いたくない」という方も少なくありません。
コストをかけてまでLINEMOでキャリアメールを使用する必要があるのかを考えてみましょう。
LINEMOでキャリアメールを使うと1,320円/3,058円かかる
LINEMOには2つの料金プランがあり、それぞれ990円/3GB、3,058円/20GBの料金設定となっていますので、330円のキャリアメール利用料を支払うと、
- LINEMOミニプラン … 990円+330円=1,320円
- スマホプラン… 2728円+330円=月3058円
となります。
Softbank/Y!mobileの同等容量のプランと比較すると、キャリアメール利用料を支払っても充分に割安であることがわかります。
反面、支払い上限はありませんので、使い続ける限り料金が発生し続けます。
1年で3,960円、3年で11,880円、5年では19,800円もの出費になります。
果たしてこのコストがキャリアメールを継続利用することの対価として見合っているかを検討すべきです。
キャリアメールのメリットはどんなことがある?
キャリアメールを利用することにはどんなメリットがあるのでしょうか。
コストをかけてまでキャリアメールを継続することのメリットを考えます。
キャリアメールの最大のメリットは信頼性
キャリアメールのメリットは「信頼性の高さ」です。
銀行などの口座開設時にキャリアメールの登録が推奨されているなど、信頼性を重視する場面で求められるのがキャリアメールです。
しかし、キャリアメールによるユーザー認証を採用するサービスは減少傾向にあります。
キャリアメールの一番のメリットも、利用機会がなければその信頼性の高さを発揮することはできません。
使い慣れたメールをそのまま使える
もう1つメリットがあるとすれば、「使い慣れている」「新たなメール設定が不要」という利便性の面です。
使い慣れていること、メールの取得や設定の手間がかからないことをメリットとする場合、そのメリットが支払うコストに見合っているかを考える必要があります。
ガラケーを使っている家族・知人がいる
ガラケーを使用している老齢の家族や知人がいる場合には、フリーメールアドレスの取得や設定なども含めて、今まで通りキャリアメールを継続するメリットがあるでしょう。
無料でスマホとパソコン両方で使えるフリーメールが便利~しかも複数のメールアドレスを持てる
ガラケーの時代は、WEBサイトも携帯用とパソコン用を分ける必要がありましたし、メールアドレスも、携帯用とパソコン用がはっきり区別されていました。

その名残で、今でもキャリアメールはパソコンでの直接送受信することはできません(WEBメールとしてのサービスをPCから利用することは可能)。
一方、Gmailに代表されるフリーメールや、プロバイダーメールなどは、スマホでもパソコンでも好きな端末で直接送受信が可能です。
また、フリーメールは通信会社を乗り換えても特に手続きは不要で継続して利用できますし利用料金は無料です。
手続きが必要で月額330円コストがかかるキャリアメールと、利便性が高いのに無料で使い続けられるフリーメールでは、利便性や経済性の優劣は一目瞭然です。
さらに複数のアカウントを作成して用途に応じて使い分けることができる点もフリーアドレスの大きなメリットです。
イマドキの連絡ツールはメールよりもSNSが中心~連絡ツールの主流はLINE、Twitter/Instagramのダイレクトメッセージも
そもそも、フリーメールも含めてメール自体の利用頻度が減っている状況もあります。

ガラケー時代のNTTドコモ/au/Softbankなどのキャリア回線を使用している間は、キャリアメールでの送受信が中心でしたが、端末がスマートフォンに移行したことで、メールよりもSNSの利用機会が増加しました。
連絡のほとんどは「LINEトーク」という方も少なくないはずですし、TwitterやInstagramのダイレクトメッセージを利用する方も増えています。
そんな状況下で、毎月330円を支払ってキャリアメールを継続する意味は希薄になりつつあるといえます。
まとめ メリットもデメリットもあるから自分にとって必要なサービスか要検討
ここまで、メールアドレス持ち運び制度を利用して、LINEMOでのキャリアメール利用について様々な角度から検証してみました。

ポイント
- LINEMOでもキャリアメールを使用可能
- LINEMOでキャリアメールを使うには、キャリア解約後31日以内に手続きが必要
- LINEMOでキャリアメールを使うには、所定の利用料金が必要
- Softbank/Y!mobileのメール持ち運び制度は未だ不完全なので要注意
- キャリアメールを継続利用すれば、新たなメールの取得・設定が不要
- 友人・知人への新しいメールアドレスの告知が不要
- ガラケー利用の家族・知人がいる場合にはメリットあり
- 現在、キャリアメールで本人認証を行うサービスはあまり多くない
- 連絡ツールの主流はSNSへ。キャリアメールだけでなく、メール自体の利用が減っている
従来のメールアドレスがそのまま継続できることは確かに便利ですし、少なからずメリットもあるのは確かですが、このサービスが有料であるが故にユーザーごとに感じ方は異なりそうです。
『LINEMOの割安料金に330円が上乗せになっても充分安い』と感じるか、
『せっかくの割安料金に無駄なコストが上乗せになってしまう』と感じるか、人それぞれといったところです。
ご自分にとってのメリット・デメリットを勘案して検討されることをおすすめします。
スマホは自分にとって使いやすいことが一番ですから!